パフォーマンス最適化
Qwik フレームワークにおけるパフォーマンス最適化について、具体的な例を用いて学びます。ここでは、レンダリングの最適化とコード分割に焦点を当て、アプリケーションの読み込み時間を短縮し、ユーザー体験を向上させる方法を説明します。
レンダリング最適化
目的
不要なレンダリングを避け、必要なコンテンツのみを効率的に更新することで、アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。
実装ステップ
- リアクティブな状態の効果的な利用:
useStore
フックを使って状態を管理し、コンポーネントが必要なデータのみに依存するようにします。
- 不要な再レンダリングの防止:
- コンポーネントのプロパティや状態が変更された場合にのみ再レンダリングが行われるようにします。
コード例
// src/components/ExpensiveComponent.tsx
import { component$, useStore } from '@builder.io/qwik';
export const ExpensiveComponent = component$(() => {
const state = useStore({ count: 0 });
return (
<div>
<button onClick$={() => state.count++}>
Clicked {state.count} times
</button>
</div>
);
});
この例では、ボタンがクリックされるたびにcount
が増加し、その部分のみが再レンダリングされます。これにより、不要な再レンダリングを防ぎ、パフォーマンスを最適化します。
コード分割
目的
アプリケーションの初期ロード時間を短縮し、必要なときにのみコードを読み込むことで、パフォーマンスを向上させます。
実装ステップ
- 動的インポートの利用:
- Qwik は動的インポートをサポートしており、特定のコンポーネントやモジュールを必要な時にのみ読み込むことができます。
- ルートレベルでのコード分割:
- ルーティングを設定する際に、各ページコンポーネントを動的にインポートし、ページの初回訪問時にのみコードを読み込みます。
コード例
// src/routes.tsx
import { QwikCity } from '@builder.io/qwik-city';
import { component$ } from '@builder.io/qwik';
export default component$(() => {
return (
<QwikCity
routes={{
'/': () => import('./pages/Home'),
'/about': () => import('./pages/About'),
}}
/>
);
});
この例では、Home
と About
ページが訪問される際にのみ、それぞれのコンポーネントが動的にインポートされます。これにより、アプリケーションの初期ロード時に読み込む必要があるコード量が減少し、パフォーマンスが向上します。