基礎

SolidJS は、現代のウェブ開発において高いパフォーマンスと反応速度を提供する、宣言的な JavaScript ライブラリです。React や Vue と比較して、SolidJS はより効率的な更新と再レンダリングのメカニズムを持ち、小さなサイズで高速な動作を実現します。このセクションでは、SolidJS の基本的な特徴と、それが他のフレームワークとどのように異なるかを、具体例を用いて説明します。

SolidJS とは?

SolidJS は、細かく最適化されたリアクティブシステムを核として構築されています。これにより、アプリケーションの状態が変更されたときにのみ、関連する DOM が効率的に更新されます。SolidJS の特徴は以下の通りです:

  • 純粋なリアクティビティ: SolidJS は、データが変更された場合にのみコンポーネントを更新することで、不要な再レンダリングを防ぎます。
  • コンパイル時の最適化: SolidJS はビルド時にアプリケーションを静的に分析し、実行時のオーバーヘッドを最小限に抑えます。
  • ファイングレインドリアクティビティ: 変更があった個々の変数や状態に対してのみ反応し、それにより高いパフォーマンスを実現します。

SolidJS と他のフレームワークとの比較

  • React: React は、コンポーネントベースの UI ライブラリで、バーチャル DOM を使用して効率的な UI 更新を行います。SolidJS は、バーチャル DOM を使用せず、リアクティブなデータフローによって直接 DOM を更新します。
  • Vue: Vue もまた、リアクティブなデータバインディングとコンポーネントシステムを提供しますが、SolidJS はより細かいリアクティブシステムとコンパイル時の最適化により、さらに高速なパフォーマンスを実現します。

具体例: シンプルなカウンターアプリ

SolidJS の基本的な概念を説明するために、シンプルなカウンターアプリの例を見てみましょう。

  1. プロジェクトのセットアップ
    まず、SolidJS プロジェクトを作成するために、以下のコマンドを実行します:
    npx degit solidjs/templates/js my-solid-app
    cd my-solid-app
    npm install
    npm run dev
    
  2. カウンターコンポーネントの作成
    src/App.jsファイルに、以下のコードを追加して、カウンター機能を実装します:
    import { createSignal } from 'solid-js';
    
    function Counter() {
      const [count, setCount] = createSignal(0);
    
      const increment = () => setCount(count() + 1);
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count()}</p>
          <button onClick={increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    }
    
    export default Counter;
    

この例では、createSignalを使用してカウンターの状態を管理し、ボタンがクリックされるたびにカウントを増やしています。SolidJS のリアクティブシステムは、countの値が変更されたときにのみ、関連する DOM を効率的に更新します。